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石炭火力導入を進める企業のセンス

「石炭はグリーンではない」の明確ですが、安価な電力供給を口実に導入が進む、石炭火力。
 
気候ネットワークによると、新規計画は43基、2120万kWに上るが、これらが稼働し始めるのは2020年以降で、それから30~40年と長期に渡って利用され続け、いわゆるロックイン効果をもたらす。
 
閣議決定国際公約となっている「2050年に1990年比-80%」はもちろん、間もなく提出する日本の約束草案「2030年に13年比-26%」に決定的な影響を及ぼすこと必定。
 
年末のCOP21で、どの程度の法的拘束力が持たされるかは不透明ですが、2020年以降の枠組は全締約国が何らかの削減に寄与するものになることは決定しています。
 
「先進国だけが削減義務を持つ枠組では温暖化対策は進まない」と京都議定書第2約束期間に参加しなかった日本としては、「義務」ではないからといって、保護にできるような生半可な「目標」ではありません。
 
1997年COP3京都会議で採択された京都議定書。日本は1998年に署名し、1998年に「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」を制定すると共に削減目標を達成するための「地球温暖化対策推進大綱」をまとめました。これら、議定書を実施するための国内法が整備されたことを受けて、2002年に国会承認、同年国連に受託書を寄託しました(=批准)。
 
その後、米国の脱退、ロシアの加盟など紆余曲折を経て、2005年発効。同年、「地球温暖化対策推進大綱」が「京都議定書目標達成計画」に衣替え。温対法を根拠法とするこの計画を達成するために、様々な規制が導入されたことは皆さんご承知でしょう。
 
2020年以降、新たな「目標達成計画」の御旗の下、これまで以上の縛りがかかってくることは、火を見るより明らか。国際社会から誹りを受けまいと、矢継ぎ早に施策を打ち出してくるのではないでしょうか。
 
自然エネルギー財団の大野さんがコラムで警鐘を鳴らしていますが、全く同意見です。
 
国際公約に反する「石炭火力発電新設」はリスキーなビジネス | 自然エネルギー財団
石炭火力は、最新型であっても二酸化炭素排出量が天然ガス火力の2倍以上。欧米各国が事実上、新設を不可能にする規制を導入しつつある中で、日本が大量の石炭火力発電の増強を進めれば、世界の温暖化対策に逆行する ...

 

 
予測不可能な未来に対して、これほど予測可能な未来はありません。センスのある経営判断をしてほしいものです。